ヒューマンスキルが物を言う
老人ホームでは、たくさんの人が働いています。その中にケアマネージャー(介護支援専門員)の資格を持ち働いている人がいます。ケアマネジャーは、ホームを利用している人の心と体の状況や、住居や家族などの環境、今までの人生の履歴などを十分に踏まえながら心の声を聞かなくてはなりません。その上で、利用者にとって一番ふさわしい生活を提案していくのですが、ケアマネージャーはケアの技術はもちろん制度の仕組みについて十分理解していることも必要です。さらにそれだけではなく、利用者一人一人を尊厳ある存在ととらえ総合的に理解していくヒューマンスキルが必要なのです。
では、ケアマネージャーが必要とする人間力やヒューマンスキルとはどのような意味を持っているのでしょう。まず、利用者の立場や気持ちに配慮できる想像力と利用者の生活や人生全体を見ることができる視野の広さが必要です。さらに利用者の生活上の障害、利用者が考える希望や意欲の兆候に気付くことができる柔軟かつ鋭いセンスも人間力やヒューマンスキルと言うことができます。
ケアマネージャーが持つ人間力が分かった所で、仕事内容を一部紹介していきたいと思います。
まずは、ケアプランの作成です。ケアマネージャーは、課題を分析し、会議などで集められた情報を元に具体的にケア計画を作成していきます。ケア計画とは、「何のために、いつどこで、誰がどのようなサービスをおこなうのか」という事を詳しく記載し、誰が見ても一目で分かるように明記していかなければいけません。原案が出来上がると、利用者やその家族に見てもらい、了承を得てから関係者に交付をします。
ケアプランが決定した後は、モニタリングをしていきます。モニタリングとはプランにのっとってサービスが提供されているかチェックする事です。たとえば「月曜日と木曜日の9時から17時まではデイサービス」「水曜日の9時から11時までは訪問介護」など具体的な内容でケアプランを作成されているので、提供されているサービスがプラン通りに行われているのかを見なければいけないのです。
また、一度ケアプランを作成しても、実際にデイサービスに行ってみたら疲れてしまったので、週二回から一回に変更をしてほしいなどの要望が出た場合には、関係者ともう一度連絡をとり、新たなプランを作りなおさなければいけません。利用者がいかに快適に生活をしていくことができるかを考えながらケアプランの作成やモニタリングを行っていくのがケアマネージャーの仕事なのです。